2013年6月20日木曜日

TCM-AEC CT: regional CTDI(vol)はorgan doseを推定するのに有用か?

本日下記の論文を読んで見ました。

Khatonabadi M, et al.: The feasibility of a regional CTDIvol to estimate organ dose from tube current modulated CT exams. Med Phys. 2013 May;40(5):051903. doi: 10.1118/1.4798561. 

Medical Physicsからdownloadできます。

通常のCT検査ではtube current modulation (TCM)技術が組み込まれている。 

IECは60601-2-44において、TCMを考慮したスキャンにおいては、CTDI(vol)に全スキャン平均値を用いることを定義している。 

胸部-腹部を撮影する際を例に考えると、肩は電流が高く、肺は低く、上腹部、下腹部につれて電流は高くなり、一つであらわされるCTDI(vol)ではorgan doseの線量推定を困難にしている。 

筆者はCTDI(vol)を、肺(低吸収域)、腹部、骨盤部という領域のregional CTDI(vol)や、肺、乳房、腎臓、肝臓、脾臓のorgan specific CTDI(vol)に分けて、体格と比較している。 

本文献では Normalized organ dose = organ dose / CTDI(vol) 
regional CTDI(vol) = global CTDI(vol) x I(regional) / I(global) 
として定義され、モンテカルロ線量計算の結果からNormalized organ doseが与えられているので、体格とregional CTDI(vol)がわかればorgan doseを推定することができる。 

同じ体格の場合、女性の肺は男性に比較して、同じregional CTDI(vol)において高い線量を受けていることに注意が必要。 
CTDI(vol)のみからの評価ではこの違いを把握することは難しい。 

筆者も述べているように、将来的にはリアルタイムで個々のCT検査の線量把握が可能となると思われる。 それまでの繋ぎとして、この研究は有用かもしれない。

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