2013年8月21日水曜日

CT撮影における線量の計算:高速モンテカルロ法による評価

本日は下記の論文を読んでみました。


Chen W, et al.: Fast on-site Monte Carlo tool for dose calculations in CT 

applications. Med Phys. 2012 Jun;39(6):2985-96.


Medical Physicsからdownloadできます。


CT撮影における線量の計算:高速モンテカルロ法による評価 
モンテカルロ法はCT検査の線量計算に有用だが、誤差を少なくし、実用的な結果を得るのに時間がかかる。 
 
Graphics processing units (GPUs)を用いて、同時並行的にモンテカルロ計算を実施 
 
臨床で実用的な速度で実施するモンテカルロ法の高速化とその精度検証の論文 
GPUの説明は私にとっては難 
 
装置は
MSCT: SOMATOM Definition Flash, 
Flat detector CT: Artis zeego, 
micro CT: TomoScope 30s 
フィルタの材質や形状はメーカから提供をうけ、モンテカルロ計算に組込 
 
CTDIの計測を電離箱とTLDで実施 
同様にモンテカルロシミュレーションではCTDI phantomを1.0mm^3で実施し、実測に対する差異を計算 
共に100mAs当たりの値に変換し、比較 
 
胸部データ、頭部データ、マウスのデータを用いて、GPUで計算した値と、CPUで計算した値の差異を計算 
 
結果 
プロファイルで見た場合、GPUで計算した値と、CPUで計算した値はほぼ一致(1.0%以内) 
(Fig. 7にCT画像に吸収線量分布を重ねた画像表示あり) 
Single-core CPUに比較し、GPUによる方法では計算時間が31-55倍高速化 
胸部CTにおけるデータでは、Single-core CPUでは70分、GPUによる方法では1分半 
CTDIにおける計測とモンテカルロの結果では4%以内で一致 
 
CT検査の線量分布を高速モンテカルロ法で計算できる
この方法は様々なCTに応用が可能であり、画像作成後数分単位で表示ができる 
臨床での線量分布の把握やCTの新技術時の研究に役立てることができる

将来のCTは、通常のDICOM画像に加え、DICOM-RTのように線量分布を重ね合わせた画像を保管することになるのかもしれない。

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