2013年8月1日木曜日

PET/CT検査における全身CTの被曝線量最適化

本日は下記の論文を読んでみました。

Tonkopi E, et al.: JOURNAL CLUB: CT Dose Optimization for Whole-Body PET/CT Examinations. AJR Am J Roentgenol. 2013 Aug;201(2):257-63. doi: 10.2214/AJR.12.10495. 

AJRからdownloadできます。

PET/CT(特にFDG)では頭部から大腿までほぼ全身撮影が実施される。 
通常の診断的撮影条件にて全身CTを撮影した場合、約24mSv。 
PETが22mSvを超えない程度と報告されていることから、一度の検査で46mSvにもなる。 

本研究はCT撮影条件を最適化して線量を低減させ、画質劣化を及ぼしていないかを調査 

診断に適さない低線量CT撮影モードを使用:吸収補正+解剖学的位置把握 

120kVp, TCM(+: 10-210mA), 再構成スライス厚.3.75 mm 

パラメータの最適化(最適化前:140名、最適化後100名) 
Noise index: 25 → 27.1 
ピッチ: 1.75 → 1.35 
回転時間(s): 0.8 → 0.5 
ビームコリメーション: 16×0.625 → 16×1.25 

線量評価はDLP, 実効線量 

26名の患者は両方の集団に属していたため、画質評価を実施 

結果 32%の線量低下 
CTDI(vol) mGy: 6.4 → 4.3  
実効線量 mSv: 8.1 → 5.5  
PET/CTの実効線量 mSv: 16.2 → 13.6 
総点数において画質評価は特に統計的差異はなし。 

内頚動脈、外側頸三角部は画質スコアの低下 
全ての画像において診断に使用可能 

線量低減のポイント 回転時間の短縮化、ビーム幅の増加、ノイズインデックスの増加 
(本装置はビーム幅の増加により、自動的にピッチが小さくなる) 

パラメータを最適化しても5.5mSvは被曝を受ける。 
装置のパラメータの最適化もさることながら、検査の正当化も重要。

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